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不動産売買登記と売主の差押の抹消登記

不動産売買登記において、売主に抵当権などの担保権が登記されており、買主への所有権移転登記と同時に担保権の抹消登記を行う場合の手続の方法について、説明いたします。
事例
登記記録から、売主には次の内容があることがわかります。

  1. 登記された住所が、現住所と相違する。
  2. 住宅ローン会社の競売開始決定による差押の登記がある。
  3. 住宅ローン会社の抵当権が3件登記されている。

上記の事例では、次の登記が必要となります。

  1. 売主の所有権登記名義人住所変更登記
  2. 住宅ローン会社の競売による差押の抹消登記
  3. 住宅ローン会社の抵当権3件の抹消登記
  4. 買主への不動産売買による所有権移転登記

司法書士は、売主が通常用意する書類のほか、事前に、上記の登記に必要な書類の確認をします。

2の住宅ローン会社の差押の抹消登記については、裁判所から登記所への嘱託登記という方法で行われますので、司法書士が直接、売主の申請代理人になりません。
ですが、この場合、住宅ローン会社の差押を抹消登記するには、差押債権者の住宅ローン会社が裁判所に競売の取下げをする必要があります。
この競売の取下げを司法書士が代行する場合もあります。

住宅ローン会社の差押の抹消登記は、裁判所から登記所への嘱託登記という方法で行われるため、また、この嘱託登記が裁判所から登記所への郵送という方法で行われるため、競売を取下げした日と同日に、差押が抹消登記されることはありません。
競売を取り下げたことによる差押の抹消嘱託登記書類を裁判所が差押債権者に手渡すこともありません。

ですから、競売の取下げをした日から実際の抹消登記をした日まで数日を要することになり、例えば、不動産売買決済日である所有権移転登記と同日となることはありません。
これは、裁判所の手続き上、やむをえないことです。

1の売主の所有権登記名義人住所変更登記、3の住宅ローン会社の抵当権3件の抹消登記、4の買主への不動産売買による所有権移転登記は、例えば、不動産売買決済日に、通常、同一の司法書士が売主、買主を代理して一括登記申請します。

住宅ローン会社の競売による差押の抹消登記がある場合、上記1、3、4の登記は先に完了し、2の差押の抹消登記は、その後に完了します。

売主、買主を代理する司法書士は、2の差押の抹消登記が完了した頃に、登記事項証明書を取得し、すべての登記が完了したことを確認します。

ですから、住宅ローン会社の競売による差押の抹消登記をともなう場合は、登記の完了まで、通常より日数がかかります。