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不動産売買登記と不動産の引渡し日

不動産の売買代金の最終決済日において、不動産の売買代金の全額、または、手付金のある場合の残代金全額の支払いを行います。

通常、不動産売買契約書には、売主から買主への所有権は、売買代金全額の支払いと同時に移転する旨の記載があるのが一般的です。

この売買代金全額の支払いと同時に移転する旨の不動産売買契約書の記載は、契約の特約事項です。
もし、この規定が不動産売買契約書に記載がない場合は、不動産売買契約の締結と同時に所有権は移転してしまいます。これは、民法の規定によります。

売主は、不動産売買代金を受け取ることなく買主に所有権を移転することを回避するために、この売買代金全額の支払いと同時に移転する旨の規定を不動産売買契約書の特約事項として記載します。

不動産売買による所有権移転登記は、売買代金全額の支払いと同時に移転する旨の不動産売買契約書の特約に基づき、不動産の売買代金の支払い終了後、司法書士が、売主、買主双方を代理して、買主に所有権移転登記をします。

不動産の引渡しについても、通常、不動産の売買代金の支払い終了後、売主から買主へ引き渡されるのが一般的です。

不動産の引渡しが、不動産売買代金の支払いと同時に行われない事情がある場合には、不動産売買契約上の特約が必要となります。

次の事例は、不動産の引渡しについての相談です。

不動産の引渡しは決済の日から1週間以内が原則?

不動産仲介業者から売主の都合で、引渡し日を伸ばしてほしい、という申出、要請に対して、相談者(買主)が困惑して相談してきました。

相談者(買主)は、決定していた決済日からリフォーム業者にリフォーム工事をしてもらう予定です。

不動産仲介業者の言い分は、
不動産売買契約書に記載された引渡し日についての欄には、引渡しは代金全額の支払日から1週間以内、と記載されています。したがって、1週間以内であれば、引渡し日を変更できる、
ということです。

そこで、相談者に、不動産売買契約書を見せてもらうことにしました。
確かに、不動産の引渡しは不動産売買代金全額の支払日から1週間以内、と記載されています。

ところが、よく見ると、不動産の引渡し日について、
1.引渡しは代金全額の支払いと同時に
2.引渡しは代金全額の支払日から1週間以内
の2つが記載され、2に○が付いています。

不動産売買契約時の不動産仲介業者の説明によると、
日本では、2.引渡しは代金全額の支払日から1週間以内が一般的です、
という説明を相談者が受けたようです。不動産売買契約時には特に気に留めていなかったようです。

ここで問題点は、
日本での不動産の引渡し日についての一般的な考え方はどうでしょう?

1.引渡しは代金全額の支払と同時に、ですか?
2.引渡しは代金全額の支払日から1週間以内、ですか?

当然、1.引渡しは代金全額の支払と同時に、が基本です。

不動産売買代金の決済時に代金全額の支払が行なわれることによって、同時に何が行なわれるのでしょうか?

  • 固定資産税の精算は、決済日から日割りで買主の負担となります。
  • 鍵の引渡し、ということは不動産の引渡しを意味します。
    代金全額を支払ったのだから、鍵の引渡し、不動産の引渡しは当然の帰結です。
  • 売主から買主への所有権移転登記です。

不動産売買契約書には、1.引渡しは代金全額の支払と同時に、と記載されているので、代金全額の支払と同時に不動産を引き渡すのが基本であることが明らかです。
もし、引渡しは代金全額の支払日から1週間以内が一般的、ということであれば、この文言が1として記載されているはずです。

不動産売買代金全額の支払日に引渡しが行なわれず、例えば、1週間後に引渡しをする、ということは法律的にどういうことでしょうか。

不動産売買代金全額の支払いをしたので、引渡しを受ける権利が買主にあります。これは代金全額の支払いによって所有権が買主に移転するからです。
買主に所有権があるということは、買主は、代金全額の支払日から、不動産について使用、収益する権利があります。

反対に、売主は、不動産売買代金全額の支払日から、不動産について使用、収益する権利がありません。
ということは、売主は、無権利の状態で代金全額の支払日から1週間、不動産を使用、収益することになります。

この法律的な意味は、買主が売主に対して、1週間使ってもいいです、貸してあげます、それも無償で、という使用貸借を意味しています。

ですから、代金全額の支払日から1週間後に引渡しをする、という意味は、使用貸借契約を含んでいる、ということになります。

それでは、代金全額の支払日から2ヶ月後に引渡しをしたい、という売主からの要請があった場合はどうでしょうか?
もちろん、反対に賃料を要求できます。(賃貸借契約)

その他、不動産売買代金全額の支払日後の引渡しの場合、引渡しまでの間に不動産が滅失したり、毀損したりすることも考えられ、代金全額の支払と同時に引渡しをする、というのが基本です。

不動産仲介業者の言い分は、
不動産売買契約の引渡し日についての欄には、引渡しは代金全額の支払日から1週間以内、と記載されているので、1週間以内の日で一度決めた引渡し日は、自由に変更できる、という解釈です。
さらに、一度決めた引渡し日を書面にしていないのだから自由に変更できる、というものです。

契約書の2.引渡しは代金全額の支払日から1週間以内、という意味は、この1週間の間で、契約後、引渡し日を合意する、という意味です。
したがって、一度合意した以上、これを書面にした、しないを問わず、合意した引渡し日に拘束されます。
一度合意した引渡し日を変更するということは、再度の合意が必要です。
すなわち、売主からの申出である場合、買主の同意が必要となります。
したがって、1週間以内であれば、自由に引渡し日を変更できる、というのは間違った解釈、ということになります。