住宅用家屋証明書(不動産売買登記の登録免許税の減税証明書)

住宅用家屋証明書(不動産売買登記の登録免許税の減税証明書)

不動産売買の登記の場合、登録免許税を登記申請の際、登記所に納付します。登録免許税など登記費用は、買主が負担するのが基本です。(関東圏の場合)

「居住用」建物の売買による所有権移転登記では、建物について登録免許税が軽減される場合があります。
登録免許税が軽減される条件は、次のとおりです。
次の条件の不動産(木造戸建、マンション)を購入される場合は、登録免許税が軽減されます。

  1. 居住用不動産であること(個人の買主ご自身が実際に居住すること。)
    次の場合には、登録免許税の軽減の適用はありません。
     親が子のために不動産を購入する場合
     投資の目的で、賃貸住宅として購入する場合
  2. 建物の「登記上の建築(新築)日」が、昭和57年1月1日以降であること
    令和4年4月1日以降に住宅用家屋証明書を取得し、登記申請する場合、次の建築年数の制限がなくなりました。
    従来の建築年数制限(令和4年3月31日まで)は、
     木造戸建であれば建築後20年以内
     マンションであれば建築後25年以内
    建物の「登記上の建築(新築)日」が、昭和56年12月31日以前の場合、耐震基準適合証明書などを取得することによって登録免許税の減税適用があります。参照:不動産売買登記と耐震基準適合証明書
    マンションなど区分建物の場合
    (1)構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造であれば問題ありません。
       区分建物である場合には、「耐火建築物、準耐火建築物又は一団の土地に集団的に建設された家屋で準耐火建築物に準じる耐火性能を有するものとして国土交通大臣の定める基準に適合するものであること」
    (2)構造:木造、軽量鉄骨造の場合(二世帯住宅)、基本的には減税適用がありません。
       次に点については、各市区町村で見解が異なる場合がありますので、各市区町村にご確認ください。
       ただし、木造及び軽量鉄骨造の区分建物の場合は、耐火性能が確認できる確認済証(確認申請書4面含む)及び検査済証又は建築士(木造建築士を除く)の証明書が必要。また、低層集合住宅の場合は、住宅金融公庫または国土交通大臣が交付した認定書の提示が必要。
  3. 建物の登記上の床面積が、50㎡以上あること。
  4. 住宅ローンの借入れで住宅を購入される場合、その借入れが住宅ローンであること、抵当権の設定登記であること。
    次の場合には、登録免許税の軽減適用はありません。
     住宅ローン以外の借入れで抵当権設定登記をする場合
     「根」抵当権で設定登記する場合

登録免許税の軽減適用がある場合の税率は、次のとおりです。

この場合であっても、所有権移転登記の土地には軽減適用はありません。

  • 建物について、登録免許税の税率
    新築の建物は、登記所の認定価格の0・4%が0・15%(0・1%)に。
    (所有権保存登記)(租税特別措置法第72条の2)
    中古の建物は、固定資産税の評価価格の2%が0・3%に。
    (所有権移転登記)(租税特別措置法第73条)
  • 住宅ローンの抵当権設定の登録免許税
    住宅ローンの債権額の0・4%が0・1%に。(租税特別措置法第75条)

例えば、建物の評価価格が500万円、住宅ローンが3,000万円の場合を考えてみます。

建物の所有権移転登記の登録免許税は、

減税適用がない場合:500万円×2・0%=100,000円
減税適用がある場合:500万円×0・3%=15,000円
100,000円-15,000円=85,000円(お得になります。)

抵当権設定登記(住宅ローン3,000万円)の登録免許税は、
減税適用がない場合:3,000万円×0・4%=120,000円
減税適用がある場合:3,000万円×0・1%=30,000円
120,000円-30,000円=90,000円(お得になります。)

合計:85,000円+90,000円=175,000円お得になります。

上記のように、登録免許税の軽減を受けるためには、登記申請書に「住宅用家屋証明書」を添付する必要があります。(登記所に提出します。)

この住宅用家屋証明書は、市区町村役場で取得します。
通常、中古の建物の場合は、各市区町村役場の固定資産税課で取得します。
新築建物の場合は、市区町村によっては、固定資産税課でない場合もあります。
いずれにしても、住宅用家屋証明書と呼ばれるものを取得する必要があります。

住宅用家屋証明書は、不動産の売買により取得した人(買主)が、取得した建物に居住することが条件となっているため、基本的には、住宅用家屋証明書を取得する時点で、取得した建物に居住していること、すなわち、これを証明する住民票の住所が、取得した建物の住所(新住所)であることが必要です。

もし、新住所に住所を移さないまま、住宅用家屋証明書を取得する場合には、市区町村役場に「申立書」を提出します。
申立書には、必ず住居として使用する旨、入居予定日、入居日より登記申請日が先になる理由、現在居住している建物を処分する理由を記載し、処分を証明する書類(賃貸借契約書、売買契約書など)を提出する必要があります。(処分を証明する書類の提出を要しない役所もあります。)

登記申請日より入居日が後になる場合は、入居予定日は、基本的には、2週間以内の日を記載しなければなりません。2週間の日を超えて記載した場合、このことを証明する書類の提出が必要となります。

また、登記申請日より入居日が後になる場合は、住宅ローンの抵当権がある場合は、抵当権の登記を急ぐため、など正当な理由を記載する必要があります。
単に、引っ越しが間に合わない、という理由では、役所は、この申請を受け付けません。

入居予定日が2週間の日を超える場合(やむを得ない事情)、このことを証明する次のような書類の提出が必要となります。各市区町村役場に確認してください。
次の内容は、さいたま市の場合です。
(1)学校関係の事情の場合:在園・在学証明書、もしくは学生証
(2)家族で転勤の場合:赴任先のある在職証明書
(3)単身赴任の場合(家族が入居することが条件です):家族の住民票及び申請者の在職証明書等
(4)海外赴任の場合:在留証明書及び在職証明書
(5)リフォームの場合:リフォーム請負工事契約書
(6)本人又は家族等の病気の場合:治癒期間が記載された医師の診断書
(7)前住人が未転出の場合:引渡期日のある売買契約書等

住宅用家屋証明書を取得する条件である「居住すること」は、不動産売買の登記をした後に、納税通知がある不動産取得税や住宅ローンのある住宅ローン減税にも影響しますので、居住用の建物を購入した場合は、すみやかに、購入した建物に住所を移す必要があります。

次を参考にしてください。
不動産売買登記費用(登録免許税の基本税率)
不動産売買登記と買主の登記する住所(新住所か現住所か?)
不動産売買登記と現住所での登記(買主)
海外在住日本人の住宅購入(家族が日本に住んでいる場合)

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ご注意:次の動画は、令和4年3月31日以前に適用があった内容です。現在の内容は、上に説明しました内容となります。