不動産売買登記の手順(不動産の購入から登記完了まで)
買主が登記費用の見積書の作成依頼
買主の購入する不動産が決定しましたら、売買による名義変更登記手続(所有権移転登記)をする司法書士を指定します。
通常、仲介業者、売主業者、金融機関が司法書士を指定します。契約上、これらの指定に拘束される場合があります。この場合(指定に拘束される場合)、契約締結時点までに司法書士が決定されることになります。
しかし、基本的には、「契約上登記費用を負担する義務のある買主」が、司法書士を指定できます。(関東圏の場合)
このように、通常は、仲介業者、売主業者、金融機関が、司法書士を指定することが多いので、これら指定の司法書士に見積書を作成してもらいます。
また、お知り合いの司法書士などに、登記費用の見積書を作成してもらいます。
参考:不動産売買登記と登記費用の見積もり依頼
司法書士の決定
登記費用の見積書が出揃ったところで、司法書士を決定します。
司法書士の決定は、売主業者や金融機関に指定権(契約書に明記)がある場合もありますので、
売主業者に対しては売買契約締結前に、金融機関に対しては住宅ローンの申し込みをする前に、
それぞれ司法書士の指定について、買主が申し入れることが必要です。(例えば、買主が、「私は、司法書士を誰々に指定します。」と申し入れをします。)
売買契約締結後や住宅ローンの契約締結後に、司法書士を変更することは難しくなりますので、買主は、早めに司法書士の指定の申し入れをします。
住宅ローンでの購入を希望する買主
買主が住宅ローンを利用して不動産を購入する場合は、金融機関に住宅ローンの申込みをします。
住宅ローンの申込みの段階で、金融機関の審査が通るか否か、おおよそ金融機関は判断してくれる場合があります。
不動産の売買契約の締結
不動産の売買代金や購入条件など合意した後、正式に、買主は売主と売買契約を締結します。
買主に住宅ローンの利用がある場合には、この条件も契約書に記載されます。
不動産の売買契約では、通常、売買代金の10%の手付金を買主が売主に支払い、契約が成立します。
不動産の名義変更登記手続について、通常、次の事項が売買契約書に記載されます。
- 不動産の所有権が売主から買主に移転する時期は、
買主が売主に対し売買代金の全額を支払った時に、不動産の所有権が移転する旨、記載されます。 - 所有権移転登記費用の買主の負担義務は、
売主から買主への名義変更登記、すなわち、所有権移転登記にかかる費用は、買主が負担する旨、記載されます。
ただし、売主に、登記名義人の住所変更や抵当権など担保権の抹消登記が必要な場合、これら登記に要する費用は、売主が負担する旨、記載されます。 - 司法書士の指定権は、
新築戸建や新築マンションの場合、
売主業者の指定する司法書士が登記手続をすることがほとんどです。
この場合、特約事項として、売主業者の指定する司法書士が記載されます。
不動産売買代金の最終決済・立会
不動産の売買代金の最終的な決済日が決まりましたら、決済日に、多くの場合、金融機関や不動産業者会社で、売買代金の最終決済を行います。
この売買代金の最終決済日に、登記手続をする司法書士が立ち会います。
司法書士は、登記手続に必要な書類の確認や、買主、売主の本人確認などをした後、不動産業者に対し売買代金の最終決済の実行をしてもらいます。
また、買主に住宅ローンがある場合は、金融機関に対し住宅ローンの実行をしてもらいます。
不動産売買登記と売買代金の支払方法を参考にしてください。
登記の申請
売買代金の最終決済により、通常は、不動産の所有権が買主に移りますので、司法書士は、不動産を管轄する登記所に登記申請します。
登記の完了
登記申請してから2週間ほどで登記が完了しますので、
司法書士は、権利証(登記識別情報)含めた登記完了書類を買主に、通常、郵送します。
通常、司法書士が買主に郵送する登記完了書類は、次の書類です。
不動産登記権利情報 表紙に合綴
1 登記識別情報通知(権利証)
2 登記完了証(所有権移転)
3 不動産登記事項証明書