不動産売買登記と町名地番変更による住所変更登記
町名地番変更による住所変更登記の必要性
不動産売買による所有権移転登記をする場合、売主の住所が、町名地番の変更によって住所の表示が変わっている場合には、登記名義人の住所変更登記が必要です。
ただし、町名のみが変更した場合は、住所変更登記をする必要がありません。この理由は、町名のみが変更している場合、登記されている町名が変更されたとみなすことになっているからです。
住所変更登記が必要な場合は、町名と一緒に地番も変更されている場合です。
町名地番変更による住所変更登記の場合、例えば、登記上の住所が、神奈川県横浜市中区元浜町1000番地1だったものが、現在は、横浜市役所の都合による町名地番変更によって、神奈川県横浜市中区元浜町一丁目1番1号に変更された場合には、町名地番変更による登記名義人の住所変更登記が必要です。
登記名義人本人は、自分の住んでいる場所が変わっていないにもかかわらず、登記名義人の住所変更登記をしなければならないことに納得できないかもしれませんが、登記上は、住所変更の登記をしなければ、登記名義を買主に移転登記することができません。
市役所の都合による町名地番の変更とはいっても、不動産売買の移転登記の場合には、住所変更登記が必ず必要となります。
この場合の登記費用については、実費の登録免許税が登録免許税法の規定により免除されます。
登録免許税法第5条第5号
登録免許税法 | e-Gov法令検索
(非課税登記等)
第五条 次に掲げる登記等(第四号又は第五号に掲げる登記又は登録にあつては、当該登記等がこれらの号に掲げる登記又は登録に該当するものであることを証する財務省令で定める書類を添付して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない。
五 行政区画、郡、区、市町村内の町若しくは字又はこれらの名称の変更(その変更に伴う地番の変更及び次号に規定する事業の施行に伴う地番の変更を含む。)に伴う登記事項又は登録事項の変更の登記又は登録
この町名地番変更による住所変更登記を不動産の売買による移転登記と同時にするときは、司法書士にこの住所変更登記を依頼しますので、司法書士報酬がかかります。通常約1万円。
したがいまして、町名地番変更による住所変更でもそうですが、売主の住所が変更されている場合は、不動産の売買による移転登記の前に、事前に、住所変更登記を売主ご自身で登記をしておくのがよいでしょう。
町名地番変更による住所変更登記の必要書類
町名地番変更による登記名義人の住所変更登記に必要な書類は、「町名地番変更証明書」です。
この証明書は、市区町村役場で、無料で取得することができます。
また、町名地番変更による登記と住所そのものが変更している場合は、その両方の住所変更登記を一緒に申請します。
市区町村役場で「町名地番変更証明書」を取得する場合、担当者に町名地番が変わっているので、その証明書をください、と申し出ます。
この証明書には、変更前の町名地番(住所)と変更後の町名地番(住所)、町名地番が変更された日が記載されています。
次を参考にしてください。
売主の住所変更登記
不動産売買登記と住居表示変更による住所変更登記
不動産売買登記と行政区画の変更
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