不動産売買登記と本人確認情報(権利証がない場合)
不動産売買による所有権移転登記を申請する際には、いわゆる「権利証(登記済権利証または登記識別情報通知)」を登記申請書に添付、登記所に提出する必要があります。
不動産売買登記と権利証(一般的な説明) を参考にしてください。
この「権利証(登記済権利証または登記識別情報通知)」がなく、不動産売買による所有権移転登記申請書に添付できない場合には、特別の方法で、登記申請します。
権利証がない場合 を参考にしてください。
この特別の方法のうち、「本人確認情報」について、説明いたします。
不動産売買登記・「本人確認情報」の基本形
本人確認情報(例) 横浜地方法務局 神奈川出張所 御中 令和3年○月○日 当職は、本件登記申請の代理人として、以下のとおり、申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報を提供する。 神奈川県横浜市中区元浜町三丁目21番地2 ヘリオス関内ビル4階 横浜リーガルハート司法書士事務所 司法書士 芦川 京之助 (登録番号 神奈川県司法書士会 第598号) 1 登記の目的 所有権移転 2 不動産 1.神奈川県横浜市鶴見区鶴見○丁目○番○の土地 2.神奈川県横浜市鶴見区鶴見○丁目○番地○ 家屋番号 ○番○の建物 3.東京都渋谷区渋谷○丁目○番○の土地 4.東京都世田谷区世田谷○丁目○番地 家屋番号 ○番○の建物 5.神奈川県川崎市川崎区川崎○丁目○番○の土地 3 登記済証を添付できない理由 紛失 4 申請人 登記義務者 住 所 神奈川県横浜市鶴見区鶴見○丁目○番○号 氏 名 横浜 太郎 生年月日 昭和○年○月○日生 5 面談の日時・場所・状況 日 時 令和3年○月○日午前○時○分(晴) 場 所 神奈川県横浜市鶴見区鶴見○丁目○番○号 申請人登記義務者である横浜太郎本人の自宅応接間 状 況 登記義務者が、本件不動産を売却するにあたり、登記申請の 必要書類の事前確認等を行うため当職が面談した。 同席者 6 申請人との面識の有無 面識がない 7 面識がない場合における確認資料 当職は、申請人の氏名を知らず、又は面識がないため、申請人から下記確認資料の 提示を受け確認した。 確認資料の特定事項及び有効期限 第一号書類 名称 写しの有無 あり 特定事項 別添写しのとおり 8 登記名義人であることを確認した理由 上記の本人確認書類につき、以下のとおり確認した。 上記確認資料により、住所、氏名、年齢等の申述を求めたところ、正確に回答した。 (1) 規則に定める書類以外の書類確認 本物件の権利取得に関する書面は、不動産売買契約書、領収書である。 本件物件との関連性を確認できる下記書類の提示を受け本人であることを確認した。 固定資産税納付領収書 (2) 面談時の聴取事項 権利取得経過について尋ねたところ、本件不動産は、不動産売買により取得した物件で あり、不動産売買の経緯について正確な経緯を述べた。 また、登記済証を紛失した理由は、○○であり、これを探したが見つけることができない、 と言う本人の申述に合理的な理由がある。 本物件に関する情報について、不動産売買により○○のための資金として準備するために、 今回売却することになったこと等の説明があった。 その他疑義を生ずる事例等は存在しなかった。
不動産売買登記・本人確認情報の解説
上記の例のように、不動産売買登記申請の際、権利証がない場合の対処方法の一つとして「本人確認情報」を選択する場合、売主である登記義務者の申請代理人の司法書士が、売主本人と直接面談して、本人確認情報を作成します。
本人確認情報には、売主本人の身分証明書の写し、司法書士の職印証明書を添付する必要があります。
本人確認情報を作成した司法書士だけが、売主である登記義務者の申請代理人となります。
本人確認情報を別の司法書士が作成し、売主である登記義務者の申請代理人が別の司法書士となることができません。
次を参考にしてください。
不動産売買登記と権利証(一般的な説明)
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